びっくりサイエンス

サンショウウオ 温暖化で巨大に 40年で1・2倍

トウキョウサンショウウオ(岡宮久規・東京都立大特別研究員提供)
トウキョウサンショウウオ(岡宮久規・東京都立大特別研究員提供)

 体長5~8センチと比較的小型な両生類の一種で、絶滅危惧種の「トウキョウサンショウウオ」が、地球温暖化の影響により、約40年間で最大約2割も体が大きくなっていることが、東京都立大の研究で分かった。このサイズの生物としては「巨大化」ともいえるレベルの変化で、生態系に予期せぬ影響を与える可能性もあるという。(伊藤壽一郎)

産卵数も最大3割増加

 トウキョウサンショウウオは、関東地方や福島県の丘陵地に分布。普段は森林の地面などで、小さな虫やミミズなどを捕食して暮らしている。10月下旬から3月上旬ごろにかけて冬眠。春先に田んぼや池などに、卵が数十個入った卵嚢(らんのう)1対を産み付ける。ただ、最近は森林開発など環境の悪化で生息数が減少していることから、環境省は絶滅危惧種に指定している。