クローズアップ科学

iPS細胞「新時代」 次世代型登場 老化防止の可能性も

 受精卵のように多様な細胞に変われる人工多能性幹細胞(iPS細胞)を、山中伸弥・京都大教授が発明してから15年。再生医療や創薬への応用研究が進み、さらに変化の幅が広い「次世代型」も登場するなど目覚ましい発展が続く。最近はiPS細胞の技術を応用し、体の能力向上や老化防止を実現できる可能性も見えてきた。(伊藤壽一郎)

胎盤の細胞も作製可能に

 平成18年に登場したiPS細胞は、生物の皮膚や血液から採取した細胞に特殊な遺伝子を導入し、多様な細胞に変化・成長できる受精卵のような状態に「初期化」して作製する。

進化続くiPS細胞
進化続くiPS細胞