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原発「ゼロリスク幻想司法」の愚 社会部長・牧野克也

四国電力伊方原発=愛媛県伊方町(本社ヘリから)
四国電力伊方原発=愛媛県伊方町(本社ヘリから)

 

 原子力発電所の再稼働をめぐり、司法判断が二転三転するたびに国のエネルギー政策が翻弄されている。この司法の混乱は是正できないのか。

 10年前の東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故の後、原発の周辺住民らが各地で起こした原発裁判。これまでに原発の運転を禁じた司法判断は7件あったが、係争中の2件を除き上級審などで運転容認に覆った。電力会社側は当然上訴できず、住民側も終結させたため確定している。

 結果として福島事故後、下級審などの羅針盤となる最高裁の判断は今もない。それがゆがんだ司法判断を生む一因になっている。

司法利用の脱原発運動

 揺れる司法判断を象徴するのは、四国電力伊方(いかた)原発3号機(愛媛県)のケースだ。