孤高の国母

(75)“女一揆”起きる!? 全国に拡大した米騒動の真相

米騒動を受け、政府が外国産米の廉価販売を始めた貼り紙に見入る庶民
米騒動を受け、政府が外国産米の廉価販売を始めた貼り紙に見入る庶民

 大正7年7月23日、富山県魚津町(現魚津市)の海岸に、漁師の妻女らおよそ50人が集まった。いずれも貧しい身なりで、悲壮な表情を浮かべている。

 妻女らは海岸にある米倉庫に近づくと、そこで米俵を汽船に積み込んでいた男たちの服をつかみ、口々に叫んだ。

 「米を運び出すのをやめろ!」

 あまりの剣幕(けんまく)に男たちは作業を中止し、汽船は逃げ出すように出航した。

 これが、かつてない規模の大衆暴動、すなわち米騒動の発火点である。

 全国的に米価が高騰したこの年、魚津では白米1升あたりの小売相場が、1月下旬の24銭から7月末には35銭、8月半ばには41銭と跳ね上がった。主因は米の需要増を見込んだ買い占めや、売り惜しみだったとされる。