「竹島領有」明記の日本地図作成の長久保赤水 中学教科書に登場

改正日本輿地路程全図の第二版(茨城県高萩市提供)
改正日本輿地路程全図の第二版(茨城県高萩市提供)

 韓国が不法占拠している竹島(島根県隠岐の島町)について、江戸時代の地理学者が描いた日本地図が、今春初めて中学校地理の教科書に掲載された。江戸時代の日本地図といえば伊能忠敬(いのう・ただたか)の「大日本沿海輿地(よち)全図」(伊能図)が有名だが、それよりも42年早く完成した。幕府が非公開とした伊能図と異なり、広く民衆に普及したベストセラーで、実測時に参考にした伊能のほか、吉田松陰ら幕末の志士らも愛用したという。(永井大輔)

伊能忠敬より42年早く

 この地理学者は、享保2(1717)年、現在の茨城県高萩市に生まれた長久保赤水(ながくぼ・せきすい)。農家に生まれ、11歳までに両親を亡くしたが、私塾に通い才能を発揮。52歳で水戸藩の郷士格(武士待遇)となり、61歳の頃には藩主の侍講(教師)を務めた。