論点直言 わいせつ教員対策法案

帰ってくる「わいせつ」教師、最短3年で…

左から全日教連委員長の島村暢之氏、弁護士の若狭勝氏、衆院議員の山田賢司氏
左から全日教連委員長の島村暢之氏、弁護士の若狭勝氏、衆院議員の山田賢司氏

 児童・生徒に対し、学校の先生がわいせつ行為を行い刑事事件になったり、懲戒免職になったりするケースが後を絶たない。わいせつ行為などの懲戒免職は令和元年度現在で8年前の1・5倍に上るほど深刻な状態で、問題ある人物を教壇に戻さないようにするため、国会では与野党が対策新法の成立を目指している。法案は懲戒免職になっても最短3年で再び教職に戻れる現行制度を改め、都道府県教委が免許再交付を拒めるようにするものだが、一方で憲法が定める「職業選択の自由」の原則に反するといった慎重論もある。専門家らに話を聞いた。

「職業選択の自由」どこまで制限できるか  弁護士の若狭勝氏

 児童・生徒へのわいせつ行為は許されることではないが、それで懲戒免職になった人が再び教員免許を取得するのを制限すれば、「職業選択の自由」を制約することになる。「職業選択の自由」は憲法22条で保障された権利。懲戒免職になったからといって、一律に復職をまったく認めないのは憲法上、問題がある。

 ただ、憲法においても権利は無制限に認められるわけではなく、合理的な理由があれば制限できる。「職業選択の自由」もあくまで「公共の福祉に反しない限り」で認められるものだ。子供たちの安全、心身への影響、保護者の思いといった大きな「利益」を考えれば、わいせつ行為をした人の教職復帰を短期間で認めるべきではない。