クローズアップ科学

食品の新時代幕開け ゲノム編集食品の可能性

 生命の設計図であるゲノム(全遺伝情報)を自在に改変する技術で作られ、国に初めて流通・販売を認められたゲノム編集食品「血圧抑制トマト」の出荷が今月、スタートした。食用の動植物の品質や生産性を向上するゲノム編集食品は、多様な品種で研究開発が進められており、食品の新たな時代の幕開けは近い。普及のカギは消費者の理解。「食品新時代」の可能性と、課題を探った。(伊藤壽一郎)

血圧を抑制するトマト

 国内第1号のゲノム編集食品は、血圧上昇の抑制やストレス緩和の効果が報告されている「GABA(ギャバ)」という物質を本来の4~5倍多く含むトマトだ。ベンチャー企業のサナテックシード(東京都港区)と筑波大が「クリスパー・キャス9」というゲノム編集技術を使い、GABAの生成を抑制する遺伝子を破壊して共同開発した。

ゲノム編集食品の時代へ
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