灯す

第3部 試練を越えて(2) 東京のレガシー

 ■熱気に隠れた震災の記憶

 7月の東京五輪は復興五輪を掲げ、東日本大震災から立ち上がった姿を世界に示すはずだった。史上初の延期となったが、1年後に開催されれば、それは新型コロナウイルスを乗り越えた証しとなる。ふたつの災禍の経験は次代に受け継がれる。

 五輪を契機に東京が世界に伝える「防災」。都内の競技施設は25カ所のうち半数超が湾岸部に集中しており、その一部は埋め立て地。東日本大震災で液状化現象に見舞われた地域でもある。

 地表近くの土の間には水が入り込んでいる。液状化は地震の揺れで土のかみ合わせがずれ、地表に水が噴き出してくる現象だ。この現象に直面したからこそ施設の対策に余念はない。

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