灯す

第4部 五輪の価値(7)色あせぬグローバリズム 「より良い世界」を信じて

 新型コロナウイルスによる東京五輪の延期はグローバリズムの弱点を浮き彫りにした。しかし、世界の結びつきと協調を貴ぶグローバリズムの理念は色あせない。五輪の開催は、より良い世界の実現にむけた第一歩でもある。

 2013年9月7日、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスのヒルトンホテルに拍手が広がった。第125回国際オリンピック委員会(IOC)総会。2度目の首相になって1年たらずの安倍晋三(65)が壇上に立っていた。

 安倍は英語でのプレゼンテーションで両腕を広げて言葉に力を込めた。

 「オリンピックの遺産とはグローバルなビジョンを持つことだ」

 1964年に東京で五輪が開催され、日本は経済大国に名乗りを上げた。米社会学者エズラ・ボーゲルが著書「ジャパン・アズ・ナンバーワン」で日本型経営を高く評価したのは79年。64年に2兆4千億円だった日本の輸出額は2007年には35倍の約84兆円に達した。グローバル化する日本は多くの日本人の理想となった。

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