灯す

第6部 集う(1)コロナのくさび 東京で「集い」は守られるか

東京五輪のメインスタジアム、国立競技場=7月
東京五輪のメインスタジアム、国立競技場=7月

 56年前の東京五輪は教えてくれた。

 「集う」から生まれる物語があることを。

 新型コロナウイルス禍の中で迎える来年の夏、それでも人は五輪に集う。

 前の走者から遅れること3周。国立競技場の観衆が異国の走者に浴びせた嘲笑は、一歩を刻むごとに声援へと色を変えていく。喝采を浴び最下位でゴールにたどり着いたゼッケン「67」の選手は「国で待つ小さな娘に、走り抜いたと伝えたい」と語った。セイロン(現スリランカ)の男子1万メートル代表、ラナトゥンゲ・カルナナンダ=当時(28)=である。