灯す

第6部 集う(2)大戦を越えて 消滅の淵 バトンはつながれた

1920年、アントワープ五輪の陸上競技(ヘールトさん提供資料から)
1920年、アントワープ五輪の陸上競技(ヘールトさん提供資料から)

 大戦や感染症のパンデミック(世界的大流行)の荒波にさらされ、五輪は何度も消滅の淵に立たされた。

 それでもバトンが今につなげられたのは、惨禍の中でも集おうとする人々の強い思いがあったためだ。

 100年前の1920年8月、ベルギーでアントワープ五輪が開幕した。

 日本を含む29カ国から2622人の選手が集った。それ自体が快挙だった。

 戦闘員約1千万人、民間人約700万人という膨大な犠牲者を出した第一次大戦(14~18年)終結から1年9カ月後。世界で4千万人以上が死亡したスペイン風邪(18~20年)が猛威を振るうさなかであった。