灯す

第6部 集う(5)ネットの「集合知」 名もなき知性が「収束」に挑む

 「知」。それはかつて専門性を極めた者にのみ、許されたものだった。

 しかし今、インターネットを器に、名もなき者の無数の思考が結びつき、離れ、新たな価値を創造している。

                  

 東京五輪・パラリンピックの公式エンブレムに採用された幾何学的模様。「組市松紋(くみいちまつもん)」と名付けられた。

 3種の四角形によって構成され、組み合わせ次第で織りなすパターンは50万通り以上。ネット上には、このデザインを基にしたさまざまな意匠が発信された。

 「才能がこのデザインと出合って、さらに想像もしなかった表現が生まれる」

 紋様の生みの親である美術家、野老(ところ)朝雄(51)はこう語る。このデザインに込めたコンセプトこそが「集合知」だ。