灯す

第7部 のこす(2)技術が変える TOKYOは郊外へ広がる

 五輪の舞台となるTOKYO。その都市開発が転換期にさしかかった。新型コロナウイルス禍や技術革新は、国土を新たな姿へと生まれ変わらせる。

                  

 バッタやコオロギが跳びはねる見渡すかぎりの草っぱら。秋には野菊が咲き乱れ、地面に掘られた貯木池には小魚が泳ぐ。

 作家の岡本かの子は昭和14年出版の小説集「丸の内草話」で、かつての丸の内の様子を描いている。岡本の生年などから考えれば明治30年代のことだろう。