灯す

第7部 のこす(5)コロナ克服の先に 来夏、世界のレガシーになる

 新型コロナウイルスの感染拡大は、東京五輪・パラリンピックの意義を変えた。それまでは「レガシー(遺産)に乏しい大会」と揶揄(やゆ)もされていた。今や、来夏の開催自体が「歴史をつないだ」証左となる。

                  

 「今回のコロナ禍でも、2013(平成25)年に招致したときの決意を揺るがしてはならないと思った。中止には絶対しない」

 前首相の安倍晋三(66)は、今年3月に五輪延期を決断したときの心境を、こう振り返る。

 招致前年に再び政権についたとき、東京大会招致に命運をかける決意を固めた。人ごとの雰囲気だった外務省などにハッパをかけた。自ら旗振り役となる以上、失敗すれば政治リスクを負う。それでもこだわったのは、1964(昭和39)年の東京五輪が忘れられなかったからだ。