偏西風

SBS事案、相次ぐ無罪 一面的な虐待捜査、立て直せ 真鍋義明

 「乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)」が疑われる児童虐待事件で無罪判決が続出している。事件を検証している弁護士らによると、平成30年3月からの約2年間で少なくとも6件。「有罪率99%」といわれるわが国の状況からみると由々しき事態だ。SBSで虐待を証明する理論の限界を指摘する声も上がるが、無罪判決を読み解くと、さらに深刻な問題も浮かび上がってくる。

 ◆2年で無罪6件

 児童虐待の刑事裁判で何が起きているのか。弁護士や学者らでつくる「SBS検証プロジェクト」(大阪)事務局長の川上博之弁護士を訪ねると、「(SBS理論での立件は)もはや無理だと思います」。