偏西風

消えたトイレットペーパー 人はなぜ噂に踊らされるのか 大阪社会部次長・真鍋義明

噂が飛び交い、一時、店頭からトイレットペーパーが姿を消した=3月初旬、大阪府内 (須谷友郁撮影)
噂が飛び交い、一時、店頭からトイレットペーパーが姿を消した=3月初旬、大阪府内 (須谷友郁撮影)

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、店頭からトイレットペーパーが消えたのは、象徴的だった。信頼できる情報が見つけにくくなっている状態「インフォデミック」だ。製造体制に問題はなかったのに、なくなりそうだとの噂が広がって買いだめが起き、品薄になった。ただでさえ未知のウイルスなのに、虚実ないまぜの情報が氾濫し、混乱に拍車をかける。不確かで恐ろしいウイルスであるからこそ、噂やデマは広がりやすい。

 インフォデミックは、インフォメーション(情報)とエピデミック(感染症の局所的な流行)の造語とされる。世界保健機関(WHO)が、新型コロナの感染拡大では正確な情報とそうでないものがあるとして、この言葉を使って警鐘を鳴らした。