偏西風

コロナと生きる 差別には、共感を武器として 大阪社会部次長・真鍋義明

 人は誰にも知られたくないことが一つや二つはある。それを広く知られると思ったら、どうだろうか。大阪市の男性=当時(36)=が自殺したのは障害のことを紙に書かされ、それを他人に見せると告げられたのが原因だとして遺族が大阪地裁に訴訟を起こし、7月、第1回口頭弁論があった。男性が強要されたという、「できること」「できないこと」を列挙した手書きの書面を見ると、胸が張り裂けそうになる。なぜ、こんなことになったのか。

 訴状などによると、市営住宅の自治会の班長選びをめぐり、男性は知的障害や精神障害があるため自治会側に「できない」と伝えたが、当時の班長から「特別扱いできない」と告げられた。その後、障害があることや金の計算ができないことなどを列挙した書面の作成を強要され、班長を決める集まりで書面をほかの住民に見せると伝えられたといい、翌日、自殺した。