偏西風

旅立ちの春に 伝統担う若い情熱に胸打たれ 大阪文化部特別記者・亀岡典子

「義経千本桜」の一場面。中村橋之助ふんする狐忠信(左)と中村米吉の静御前 =京都市東山区の南座 (c)松竹
「義経千本桜」の一場面。中村橋之助ふんする狐忠信(左)と中村米吉の静御前 =京都市東山区の南座 (c)松竹

 竹本碩太夫(ひろたゆう)、25歳。師の竹本千歳(ちとせ)太夫さんに入門して4年の文楽太夫の最若手。いまだ少年の面影が残る顔立ちで、文楽の本拠地、大阪の国立文楽劇場での本公演では、何人か並んだ太夫の一番端っこで語っているぐらいのキャリアである。

 その碩太夫さんが2月、ロームシアター京都(京都市左京区)で開催された文楽の公演で、新作文楽「端模様夢路門松(つめもようゆめじのかどまつ)」をひとりで語り切った。異例の大抜擢(ばってき)であった。当日、三味線の芯を勤めたベテラン、鶴澤清介さんの強い要望で実現したという。