偏西風

ヤングケアラー、クラスに1人 「子供の時間」失わぬように 大阪社会部次長・真鍋義明

 クラスに1、2人はいる計算になるから驚きだ。18歳未満の子供が、きょうだいや家族の世話をしている「ヤングケアラー」。国の実態調査で、中学2年の約17人に1人(5・7%)、高校2年の約24人に1人(4・1%)いることが判明した。こうした子供は家族の世話に時間を取られ、少なからず自分のやりたいことができない境遇にある。子供らしく過ごす貴重な時間を失うのは不憫(ふびん)でならない。国や自治体は実態把握を進め、具体的な支援策の検討に着手すべきだ。

 研究者によると、ヤングケアラーは世話に忙殺されることで学業や健康面、友人関係などに影響が出る恐れがある。調査では、家族のケアをしている中学2年に対し、世話のためにできていないことを複数回答で尋ねたところ、「特にない」が最多の一方、「自分の時間が取れない」「宿題や勉強の時間が取れない」も多かった。