
それは受けたサービスに見合った対価だろうか。利用者のプライバシーを巧みに収集するGAFA(ガーファ)のテクノロジー。検索履歴や購買記録、位置情報はもちろん、身につけた機器によっては心拍など生体データにまで及ぶが、本人はその使途を知るよしもない。個人情報が独り歩きする状況に疑念を抱き、サービスに距離を置く動きが起きている。
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私の赤ちゃんが亡くなったことに気づいて-。死産を経験した米ワシントン・ポストの記者、ジリアン・ブロッケルさんがツイッターに投稿した「手紙」は瞬く間に世界中に拡散していった。昨年12月のことだ。
宛先は、フェイスブック(FB)を含むIT企業など4社。ブロッケルさんは昨年11月、子供を失ったことを明かした。しかし、彼女のソーシャルメディアにはベビー用品の広告が配信され続けた。停止を求めると、今度は養子斡旋(あっせん)をすすめる広告が表示された。