自動車、ビールも定額制 「もろ刃の剣」に挑む各社の思惑

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サブスクリプション向けの車も並ぶ川崎市内の販売店(臼井慎太郎撮影)
サブスクリプション向けの車も並ぶ川崎市内の販売店(臼井慎太郎撮影)

 一定期間に定額で商品やサービスを利用できるサブスクリプション(subscription、定額制)型のサービスがメーカーの間で広がっている。従来の定額制は毎月一定額で音楽や動画が聴き放題、見放題となるサービスが代表的だったが、最近は自動車やゲームにも裾野が広がり、気軽に商品やサービスを楽しみたい消費者を引きつけている。メーカーの視点に立てば、定額制は販売を縮小させかねない戦略だが、国内市場への期待がしぼむ中でも確実に収益を得られる利点は大きく、普及に本腰を入れている。

 「普通の人には車の購入は一大事だった。手軽に車と付き合ってほしい」。トヨタ自動車が設立した新会社「KINTO(キント)」の小寺信也社長は2月、東京都内で始めた定額制の新サービス「キント」の狙いをこう話す。