偏西風

「5年後」見すえて 大阪万博、夢では終われない 粂博之

(上)三十石船が描かれた現在の大阪府枚方市辺りの「よと川の図」(部分、18世紀末~19世紀初め頃、大阪くらしの今昔館蔵) (下)大阪・関西万博会場予定地の人工島・夢洲(手前)=大阪市
(上)三十石船が描かれた現在の大阪府枚方市辺りの「よと川の図」(部分、18世紀末~19世紀初め頃、大阪くらしの今昔館蔵) (下)大阪・関西万博会場予定地の人工島・夢洲(手前)=大阪市

 江戸時代、京都・伏見から大坂へと流れる淀川を往来した「三十石(さんじっこく)船」は、30人ほどが乗れる大きさで庶民の交流の場でもあった。乗り合わせた人たちが一晩かけて楽しげに川を下る様子が、上方落語「三十石 夢の通い路」に描かれている。その淀川で水素エネルギーを使う次世代型三十石船を運航しようという計画がある。実現すれば「世界初の水素船」はまず、令和7(2025)年開催の大阪・関西万博でお披露目され、世界の人々に見て体験してもらう夢の乗り物となりそうだ。

 「水素船で未来社会の姿を提案したい」と話すのは産業・家庭用ガス専門商社、岩谷産業の牧野明次会長。同社と近鉄グループホールディングス、南海電気鉄道、東芝、川崎重工業の各社の執行役員が集まって、船の建造・運航計画の検討会を重ねている。