関西経営者列伝

フィナンシェ世界一「アンリ・シャルパンティエ」蟻田社長 コロナでも洋菓子必要

アンリ・シャルパンティエのフィナンシェ(シュゼット・ホールディングス提供)
アンリ・シャルパンティエのフィナンシェ(シュゼット・ホールディングス提供)

 フィナンシェの年間販売個数が世界一の「アンリ・シャルパンティエ」などの洋菓子を展開するシュゼット・ホールディングス(HD、兵庫県西宮市)。蟻田剛毅社長は「新型コロナウイルス禍で一時は(売り上げが)前年比8~9割減に落ち込んだが、誕生日ケーキの需要はなくならない。極限の状態で(洋菓子の必要性を)自覚させてもらった」と語った。(聞き手 藤原章裕)

フランスの世界大会で「銀」

 ――シュゼットHDが手掛ける洋菓子ブランド「アンリ・シャルパンティエ」のバターケーキ「フィナンシェ」の年間販売個数は世界一だ

 「2018年10月~19年9月の1年間で約2900万個お買い上げいただき、6年連続でギネス世界記録を獲得しました。大勢のお客さまに支持され、うれしく思っています。アーモンドパウダー、バター、砂糖…。非常にシンプルなレシピで作っているお菓子ですが、社員の思い入れは強く、コクを出すために北海道産の生乳を使った発酵バターを作ったり、香り豊かな米カリフォルニア産のアーモンドを買ってきて自分たちで粉にしたりと材料にもこだわっています」

 ――複数のパティシエが洋菓子世界大会のメダリストに輝いた

 「2年に1度、約20カ国が集まってフランスで開かれる『クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー』に日本チームの一員として参加し、17年と19年にそれぞれ銀賞を受賞し、望外の喜びでした。日本予選は約50人が参加し、書類と実技の審査で上位3人が選ばれて出場できる難関です。最初は地域の大会でも負けていたのですが、プライドを捨て、他社のパシティエに教えを乞うて技量を磨いてくれました」

 ――関西学院大を卒業して電通に入社。創業者の長男として家業を継ぐ考えはなかったのか