偏西風

「大坂」のにおい醸す女形 片岡秀太郎さん、人間国宝に 亀岡典子

人間国宝に認定されることが発表された片岡秀太郎さん。記者会見の席上、「若い歌舞伎俳優の人たちがいろいろ聞きに来てくれる。そのことがうれしい」と話した =7月、大阪市中央区(南雲都撮影)
人間国宝に認定されることが発表された片岡秀太郎さん。記者会見の席上、「若い歌舞伎俳優の人たちがいろいろ聞きに来てくれる。そのことがうれしい」と話した =7月、大阪市中央区(南雲都撮影)

 歌舞伎俳優、片岡秀太郎さん(77)が人間国宝に認定されることが先月、発表された。戦後、関西の歌舞伎が低迷し、公演がほとんどなかった時代にも関西に住み続け関西を拠点に活動を続けてきた女形のベテランである。「私のやっていることは地味な活動ですので、このたびのことは本当に思ってもいなかったこと…」と女形らしく控えめに語るが、上方歌舞伎再興に尽くした功績は果てしなく大きい。

 ◆「上方の役者」関西離れず

 この人が登場するだけで舞台の色が濃くなる。近世から現代まで連綿と続く「大坂」のにおいが立ちこめる。

 江戸時代の大坂の色街、新町を舞台に、恋人の遊女を身請けするため公金横領の重罪を犯した忠兵衛の運命を描く「封印切(ふういんきり)」。

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