偏西風

赤穂浪士を知らない若者たち 文化喪失、橋渡し役が必要だ 亀岡典子

文楽「義経千本桜」の一場面。史実とは異なり、壇ノ浦で死んだはずの平知盛が実は生きていて、再び源義経に復讐の戦いを挑む(c)国立文楽劇場
文楽「義経千本桜」の一場面。史実とは異なり、壇ノ浦で死んだはずの平知盛が実は生きていて、再び源義経に復讐の戦いを挑む(c)国立文楽劇場

 歌舞伎や文楽で歴史的な事件をもとに作られた芝居(時代物)の上演が難しい時代になってきているという。「牛若丸と源義経は同一人物」「赤穂浪士のあだ討ち」など、かつては日本人ならだれでも知っていたような史実を知らない若い人が増えているからだ。歌舞伎や文楽の「時代物」は、史実をもとに、作者がフィクションをまじえて書いたものがほとんど。おおもとの歴史を知らないと、そこに描かれた人間関係やテーマをしっかり理解することは容易ではない。「温故知新」ではないが、日本の未来は、日本人が自国の歴史をきちんと知るところから始まるのではないだろうか。

 ◆牛若丸と義経

 「牛若丸って、義経の子供の頃の名前だったんですか?」

 昨年、20代の知り合いに聞かれて言葉を失った。ついでに、「日本三大あだ討ちは分かる?」と聞くと、「全然知りません」。「赤穂浪士のあだ討ちと…」と言いかけると、「赤穂浪士ってなんですか?」。