偏西風

震災とコロナ、演劇人は 非常時こそ見える芸術の魂 亀岡典子

阪神大震災後、校庭で音楽や寸劇を行って子供たちを激励したピッコロ劇団=平成7年2月13日、神戸市中央区の二宮小学校(同劇団提供)
阪神大震災後、校庭で音楽や寸劇を行って子供たちを激励したピッコロ劇団=平成7年2月13日、神戸市中央区の二宮小学校(同劇団提供)

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、多くの演劇公演やコンサートが延期、中止になっている。そのただ中にあって、かつて2つの震災の際、被災者のために活動した演劇人たちの姿が思い浮かんだ。

 日本初の県立劇団として創立された「兵庫県立ピッコロ劇団」は、平成7年の阪神・淡路大震災の折、被災地の公立劇団として、被災した子供たちや人々を演劇を通して激励。23年の東日本大震災では、東北の演劇人たちが中心となり同様の活動を行った。今回の新型コロナウイルスのケースとは違ってはいるが、非常時における芸術や文化のあり方を問う声は共通している。

自問自答しながら