女性初の皇太子経て即位した女帝は「則天武后を思わせる」

西大寺に伝わる称徳天皇の肖像画(同寺提供)
西大寺に伝わる称徳天皇の肖像画(同寺提供)

今年、没後1250年となる女帝・称徳天皇(孝謙天皇、718~770年)。仏教に深く帰依し、出家したが、尼のまま重祚(ちょうそ)(再び即位)した唯一の天皇として知られる。病を癒やされたことから寵愛(ちょうあい)し、「怪僧」ともされる道鏡との深い関係も噂されたが、いったいどんな女帝だったのか-。(岩口利一)

 「当山の創建、まさしく本願女帝の国家安泰を願われし深き仏法帰依の真心によること、史実に照らして歴然たり」-。10月4日、天皇ゆかりの西大寺(奈良市)の本堂で営まれた没後1250年の御遠忌(ごおんき)法要で導師が厳かに表白文を読み上げ、「崇仏天皇」「尼天皇」としてその功績をたたえた。