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映画界でも物議、欧米で急増するアジア系への深刻な差別

米ゴールデン・グローブ賞では、作品賞ではなく外国語映画賞を受賞したことで物議を醸した「ミナリ」(C)2020 A24 DISTRIBUTION, LLC  All Rights Reserved.
米ゴールデン・グローブ賞では、作品賞ではなく外国語映画賞を受賞したことで物議を醸した「ミナリ」(C)2020 A24 DISTRIBUTION, LLC  All Rights Reserved.

 さて、今週ご紹介するのは、欧米での人種差別絡みの問題です。米ジョージア州のアトランタ市と近郊の3軒のマッサージ店で3月16日、銃撃事件が発生。アジア系女性6人を含む計8人が亡くなりました。

 容疑者は逮捕され、捜査当局は、アジア系を狙ったヘイトクライム(憎悪犯罪)と断言するには時期尚早との考えを示しましたが、米国ではアジア系住民の間に動揺が広がっています。

 この事件に代表されるように、最近、欧米では、コロナ禍以降、人種差別、とりわけアジア系絡みの問題が噴出しています。

白人至上主義者の宣伝活動が急増

 まずは米国です。この数字には驚きました。3月17日付の英紙ガーディアン(電子版)などによると、米有力ユダヤ人団体「名誉棄損防止同盟(ADL)」が発表した調査結果では、白人至上主義者による差別やヘイト(憎悪)絡みの宣伝活動の件数が米では2020年、前年のほぼ2倍の5125件に急増していたというのです。