さて、今週ご紹介するのは、欧米での人種差別絡みの問題です。米ジョージア州のアトランタ市と近郊の3軒のマッサージ店で3月16日、銃撃事件が発生。アジア系女性6人を含む計8人が亡くなりました。
容疑者は逮捕され、捜査当局は、アジア系を狙ったヘイトクライム(憎悪犯罪)と断言するには時期尚早との考えを示しましたが、米国ではアジア系住民の間に動揺が広がっています。
この事件に代表されるように、最近、欧米では、コロナ禍以降、人種差別、とりわけアジア系絡みの問題が噴出しています。
白人至上主義者の宣伝活動が急増
まずは米国です。この数字には驚きました。3月17日付の英紙ガーディアン(電子版)などによると、米有力ユダヤ人団体「名誉棄損防止同盟(ADL)」が発表した調査結果では、白人至上主義者による差別やヘイト(憎悪)絡みの宣伝活動の件数が米では2020年、前年のほぼ2倍の5125件に急増していたというのです。