米中がASEANで激しい綱引き 南シナ海問題めぐり

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ASEAN諸国の代表団と歓談するペンス米副大統領(中央)=15日、シンガポール(ロイター=共同)

ASEAN諸国の代表団と歓談するペンス米副大統領(中央)=15日、シンガポール(ロイター=共同)

 【シンガポール=吉村英輝、西見由章】東南アジア諸国連合(ASEAN)による一連の首脳会議が開かれたシンガポールでは、この地域での主導権をめぐり対立する米国と中国が、参加国の取り込みへ、激しい綱引きを繰り広げた。焦点の南シナ海問題では、米国が「自由で開かれたインド太平洋」の公正性を主張し、中国は軍事拠点化に対する反発への押さえ込みを着々と図った。

 「インド太平洋に帝国と侵略者の居場所はない」。米国のペンス副大統領は15日、ASEAN首脳との会議冒頭、名指しを避けながらも覇権主義的な拡張を続ける中国を牽制(けんせい)。この地域で長年にわたり展開する米国との協力継続を訴えた。