一般教書

外交・安保の対中国シフト示す 笹川平和財団上席研究員・渡部恒雄氏

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笹川平和財団の渡部恒雄上席研究員

笹川平和財団の渡部恒雄上席研究員

 今回のトランプ米大統領の演説で目立った点は、昨年の中間選挙で大幅に議席を増やした民主党の白いスーツでそろえた女性議員グループに対して、女性の社会進出をたたえる発言で盛り上げるなどの、民主党への歩み寄りの姿勢だ。これは下院で過半数を失った厳しい現実の反映だろう。

 ただ、党派対立のトゲであるメキシコ国境の壁建設問題では一切妥協姿勢を見せておらず、民主党側には超党派の姿勢は一時のポーズとしか理解されないだろう。むしろ強固なトランプ支持者や無党派層に対して、自分は妥協策を示しているのに民主党のかたくな態度が「おかしい」と印象づけようとしているのかもしれない。