香港中高年「銀髪族」の怒りと苦悩 「私たちは中国と戦ってこなかった」

 【香港=森浩】中国への容疑者引き渡しを可能とする「逃亡犯条例」改正案を発端とした混乱が続く香港では、中高年たちの抗議活動も行われている。デモを続ける若者を支援したいとの思いのほか、「私たちの世代が戦ってこなかった」という贖罪(しょくざい)意識もあるという。白髪頭にちなみ「銀髪族」とも表現される中高年世代。その怒りと苦悩も深い。

 ■広がる警察への怒り

 香港島中心部・湾仔(ワンチャイ)の警察本部前で12日午後から「銀髪族48時間座り込み」が始まった。警察によるデモ隊の若者たちへの暴行に抗議する活動だ。時間によって増減はあるが、最大で300人以上が参加している。「私は定年退職を迎え、失う物はないから声を上げたい」。座り込みに参加したリョンさん(62)はこう憤りを話した。