iPS細胞選別、10分の1に時間短縮 大日本住友

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大日本住友製薬は細胞識別の高効率化に成功した

大日本住友製薬は細胞識別の高効率化に成功した

 人工多能性幹細胞(iPS細胞)を用いたパーキンソン病治療の実用化を京都大学の研究チームと目指す大日本住友製薬が、患者の移植に適した細胞を効率的に見つける装置の開発に成功したことが13日、分かった。従来の手法の10分の1以下となる1時間以内で、iPS細胞から作製された神経細胞を選び出せる。医薬品の大量生産につながる画期的な技術で、iPS細胞による治療の普及を後押ししそうだ。

 パーキンソン病は、脳内で神経伝達物質ドーパミンを出す神経細胞が減り、手足の震えなどが起こる神経の病気。先月に京大で行われた1例目の医師主導の臨床試験(治験)では、他人のiPS細胞から作製された神経細胞を、患者の脳に約240万個移植した。大日本住友では、治験の実績を踏まえ、保険適用対象の医薬品として、厚生労働省に製造販売の認可申請を行う方針で、今年3月には大阪府吹田市内にある研究所内に商業用生産施設を完成させた。