象徴 次代へ

継承のかたち(1) 新たな橋渡される旅 自然体のご交流「国民の中に」

リオデジャネイロパラリンピックの視覚障害者女子マラソン銀メダリスト、道下美里さんの伴走をされる皇太子さま=2018年6月26日、東京・元赤坂の赤坂御用地(宮内庁提供)
リオデジャネイロパラリンピックの視覚障害者女子マラソン銀メダリスト、道下美里さんの伴走をされる皇太子さま=2018年6月26日、東京・元赤坂の赤坂御用地(宮内庁提供)

 昭和58年、皇太子さまが英国のオックスフォード大に留学される前、日本近代史が専門の元宮内庁参与、三谷太一郎氏(82)が留学準備の進講を行う機会があった。「どういう講義が望ましいでしょう」。三谷氏の問いに天皇陛下はこう話された。「なぜ日本は戦争に入っていったのか。そこをちゃんと講義してもらいたい」。三谷氏は、陛下の強いご意志を感じた。

 陛下はこのころ、記者会見の場でも、先の大戦について「浩宮(ひろのみや=皇太子さま)にとっては本当に過去の歴史」「やはり身近に感じないということがあると思います」と吐露されていた。