昭和58年、皇太子さまが英国のオックスフォード大に留学される前、日本近代史が専門の元宮内庁参与、三谷太一郎氏(82)が留学準備の進講を行う機会があった。「どういう講義が望ましいでしょう」。三谷氏の問いに天皇陛下はこう話された。「なぜ日本は戦争に入っていったのか。そこをちゃんと講義してもらいたい」。三谷氏は、陛下の強いご意志を感じた。
陛下はこのころ、記者会見の場でも、先の大戦について「浩宮(ひろのみや=皇太子さま)にとっては本当に過去の歴史」「やはり身近に感じないということがあると思います」と吐露されていた。