よみがえるトキワ荘

番外編 「小池さん」のモデル、鈴木伸一さん 今も続いている絆

ラーメンを食べる往時の写真を手にする鈴木伸一さん=杉並区(鵜野光博撮影)
ラーメンを食べる往時の写真を手にする鈴木伸一さん=杉並区(鵜野光博撮影)

 手塚治虫を始めとする多くの漫画の巨匠たちが暮らし、愛したアパート「トキワ荘」(東京都豊島区)。杉並アニメーションミュージアム館長の鈴木伸一さん(85)もその一人だ。トキワ荘を離れてからも、当時の仲間たちとの絆は続いている。

 鈴木さんがトキワ荘に入居したのは昭和30年暮れのこと。中学時代から「漫画少年」(学童社)に投稿を続け、長崎県から上京した。漫画少年の編集部を訪れた際に、先輩漫画家でトキワ荘住人だった寺田ヒロオを紹介され、トキワ荘を訪れたという。「その後、テラさんから手紙が来て、部屋が空いたから入らないかと。ちょうどいい、幸いと思った」と振り返る。