発達障害「生きづらさ」を生きる第3部(1)

能力や適性見定め…顔つき変わり回りも成長

 生きていくからには、働いて、納税をし、社会に還元する。これが、当然の務めだと、首都圏に住む、高橋美緒さん(35)=仮名=は考えてきた。だが、思い描くような「仕事」に就くことは容易ではなかった。

 元々、周りの空気を読んで行動することが苦手だった。それでも幼少期や学生時代には、愛嬌(あいきょう)の類いで何とか乗り切れた。ただ、社会人になると、そうはいかなかった。

 最初の就職先は、大学時代に取得した医療事務の資格を生かした病院。女性中心の職場だった。みんなでのランチや飲み会も多かったが、どうしても会話は続かなかった。

 患者の対応でミスも繰り返し、「扱い難い者」として、部署をたらい回しされた。「なぜ、うまくいかないのか」。病院の医師に相談すると、「発達障害かもしれない」と指摘された。ほっとした一方で、「この先、どう生きていけばいいのか」と不安にも襲われた。

 結局、病院は退職。「単純な仕事ならば、できるはずだ」と、荷物の仕分け会社に入ったが、大卒の経歴が災いし苦手な事務を任された。ここでもたらい回しの末に解雇された。

 その後も食品加工会社に就職したが、長くは続かなかった。意欲はあるのに働けない。「社会に居場所がない孤独感と無力感にさいなまれた」と振り返る。

《連載》発達障害「生きづらさ」を生きる
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