偏西風

近大の次なる戦略 「完全養殖」マグロ 世界の夢

 近大マグロをご存じだろうか。近畿大学(本部・大阪府東大阪市)が平成14年に世界で初めて完全養殖に成功したクロマグロの商標だ。今年8月には、天然のサバなど生餌ではなく、人工の飼料で育てられた近大マグロがその味に太鼓判を押され、近大直営のレストランに堂々デビューした。絶滅危惧種に指定されているクロマグロの資源保護が世界的関心事となるなか、餌の段階から天然資源に配慮した「完璧な完全養殖」には熱い視線が注がれている。近大は、サステイナブル(持続可能な)シーフードとして世界に打って出る戦略だ。

配合飼料オンリー

 大阪の玄関口、JR大阪駅北側の大型複合施設「グランフロント大阪」。この飲食フロアには、開店前に行列ができる人気の養殖魚専門店がある。その名も完全養殖を実現した研究拠点と同じ「近畿大学水産研究所」。天然魚のほうが良質とする固定観念を変えるには、おいしい養殖魚を実際に食べてもらうのが理解の早道だと近大が25年に開業し、東京・銀座店とともに展開する直営店だ。