歴史に消えたうた 唱歌、童謡の真実

(18)日満で違った「汽車」

最高時速130キロを誇った満鉄のシンボル、特急「あじあ」(満鉄会提供)
最高時速130キロを誇った満鉄のシンボル、特急「あじあ」(満鉄会提供)

 「汽車」を題名にとった歌はいくつかある。~今は山中(やまなか)今は浜 今は鉄橋(てっきょう)…で始まる文部省唱歌『汽車』はその代表格だろう。初出は明治45(1912)年の「尋常小学唱歌」第三学年用。作曲は、東京音楽学校(現東京芸大)出身で東京第一師範(同東京学芸大)教授などを務めた大和田愛羅(あいら)(1886~1962年)。作詞は、諸説あり、確定されていない。

 3番の歌詞にある「廻(まわ)り灯籠(どうろう)の画(え)の様(よう)に」くるくる変わる車窓の景色は、日本の自然の多様性がよく描かれている。そして、大和田が書いたメロディーは、スピードにあふれ、実際に汽車に乗っているかのような臨場感が心地よい。