歴史に消えたうた 唱歌、童謡の真実

(20)お正月定番、意外なルーツ

 お正月の定番テレビ番組にフジテレビ系で放送されていた「新春かくし芸大会」がある。人気スターやお笑い芸人が披露するとっておきの隠し芸を、こたつに入りながら家族一緒に楽しむのが、昭和の時代のわが家の恒例だった。

 その番組のオープニングに流されていたのが、~年の始めの例(ためし)とて…で始まる『一月一日』という歌だ。題名は知らずとも歌詞やメロディーは知っているという人も多いだろう。

 この歌の成立は相当に古い。今から130年近く昔の明治26(1893)年、文部省(当時)が学校行事や式典で歌う儀式唱歌を告示した「祝日大祭日歌詞並(ならびに)楽譜」の8曲のうちのひとつである。