世界に散った明治工芸 買い戻した御曹司の審美眼

 細密で繊細な超絶技巧で日本の工芸は明治期、世界を驚かす。しかし、それもつかの間、いつしか忘れ去られてゆくのである。それが現代、再び脚光を浴びた背景には、その美に着目したコレクターの存在があった。  (正木利和)

幼い頃に培った美意識と収集魂

 京都・東山に清水三年坂美術館をつくるまで、村田理如(まさゆき)館長(70)はサラリーマンをしていた。

 明治工芸コレクターとなるきっかけは40年近く前、ニューヨークに立ち寄ったとき、アンティークショップのショーウインドーに印籠を見つけたこと。