国宝・松本城、耐震補強やお堀浄化で清く強く美しく

堀の浚渫調査が行われる松本城=昨年12月、長野県松本市(原田成樹撮影)
堀の浚渫調査が行われる松本城=昨年12月、長野県松本市(原田成樹撮影)

 松本城で、来る大地震へ備えた石垣や地盤の調査が進められている。400年以上にわたって市民に愛されてきた姿を今後も残すために不可欠な作業。70年ぶりに床材まではがされて地下構造に迫り、耐震補強に生かされる予定だ。(原田成樹)

 松本城は国の史跡で、天守は国宝に指定されている。天守の主要部は、文禄2(1593)年頃、松本藩主、石川康長の時代に完成したとみられている。

 明治になって解体や倒壊の危機があったが住民らによって救われ、明治36~大正2年に「明治の大修理」が実施された。昭和25~30年には、天守の基礎を鉄筋コンクリートに変えるなどの「昭和の大修理」が行われた。大規模な調査・工事はそれ以来となる。