変異株への備えにも国産ワクチン実現を 塩野義製薬社長

インタビューに応じる塩野義製薬の手代木功社長 =大阪市中央区の塩野義製薬本社(永田直也撮影)
インタビューに応じる塩野義製薬の手代木功社長 =大阪市中央区の塩野義製薬本社(永田直也撮影)

 新型コロナウイルスワクチンの供給を、海外製薬企業に依存するリスクが指摘され、国産ワクチンの開発に期待が寄せられている。しかし、海外製ワクチンの実用化が世界で進むことで、後発ワクチンの大規模治験(臨床試験)の実施が難しくなっている。国産ワクチンの実用化がさらに遅れる可能性もでてきた。国産ワクチンの開発を進める塩野義製薬の手代木功社長に課題を聞いた。

 --来冬に国産ワクチンの供給が難しくなっている理由は

 「治験の最終段階である第3相試験の実施が難しくなっているからだ。発症率や重症化率を確かめるために、発症者が一定程度いる流行地域で、ワクチンの偽薬を用いて行う試験だが、すでに世界の多くの地域でワクチンが実用化されており、偽薬の試験に参加する人を確保するのが難しい。