日本初、民間航空は海岸を利用した飛行場から 来年初フライトから100年

堺・大浜に設立された日本航空輸送研究所(井上征一さん提供)
堺・大浜に設立された日本航空輸送研究所(井上征一さん提供)

 大正11(1922)年、1人の男の夢を乗せた翼が堺を飛び立った-。堺で日本初の旅客輸送を運航した人物は、徳島県出身の実業家、井上長一(ちょういち)(1887年~1972年)。先見の明と交渉力で民間航空会社を設立し、民間航空のパイオニア(先駆者)と呼ばれた。初フライトから来年で100年。日本の航空業界の黎明期を築いた井上の足跡を追った。(小川恵理子)

堺で産声、定期旅客便も

 今はヨットや漁船が停泊する出島(堺市堺区)。井上はこの地に民間航空会社「日本航空輸送研究所」を設立した。海岸を利用した「大浜飛行場(堺飛行場)」からは、西日本各地に向けて定期旅客便が飛び立った。

 「堺は神戸や大阪といった商業圏に近く、利用者も見込めた」。同市博物館元副館長で郷土史家の中井正弘さん(80)は、井上がこの地で事業を始めた理由をそう推察する。