ワクチン輸送 パナソニックとシャープが国産家電の技術生かして参入

パナソニックが開発した保冷容器は、センサーを内蔵し、数秒で真空状態を確認できるようにした。医薬品関連事業を行うスズケングループと提携し、自治体や医療機関に向けてレンタルサービスを行う。
パナソニックが開発した保冷容器は、センサーを内蔵し、数秒で真空状態を確認できるようにした。医薬品関連事業を行うスズケングループと提携し、自治体や医療機関に向けてレンタルサービスを行う。

 厳格な温度管理が必要な新型コロナウイルスワクチンを安全に輸送するための保冷容器、バッグの開発、生産が国内で進んでいる。異業種からの参入組も多く、中でも大阪に本社を置く機械メーカーのパナソニックとシャープは冷蔵庫やテレビの開発技術を生かした新製品を発表した。海外製の安価な製品との競争にさらされながらも、長年育んできたジャパンブランドの家電技術が、ワクチン輸送を担っていく。

冷蔵庫の理想の形

 「60年間、冷蔵庫を作り続けてきた、その技術の延長線上にこの保冷容器はあります」

 パナソニックアプライアンス社主幹技師の小島真弥さんは、ワクチン輸送向けに開発した保冷容器「VIXELL(ビクセル)」についてこう説明する。様々な温度に対応でき、マイナス70度以下を18日間保持することもできるという。

 「かつて私の上司は省エネルギーなどの観点から、『冷蔵庫の理想は、箱全体を真空断熱材で覆う形だ』と言っていました。小型化していますが、その理想を実現した形がビクセルです」と胸を張る。