
〈和を以(もっ)て貴しとなし、忤(さから)うことなきを宗(むね)とせよ〉
聖徳太子といえば、教科書でも習う十七条憲法のこの第一条を思い浮かべる人が多いだろう。「憲法」といっても、現代とは異なり、役人らの心得などが書かれ「礼を大事にせよ」「早く出仕し遅く退出せよ」といった具合だ。
後世には、板木に彫られるなどして流布。現在でも会社など組織の理念に生かされることもあり、太子創建とされる法隆寺(奈良県斑鳩町)の古谷正覚(ふるやしょうかく)住職は「『和』が基本。その心でもってお互いを認め、敬い合うことが大切」と語る。