消えゆく公衆電話のありがたみ 30年で70万台減の今

 最近、公衆電話を使ったことがあるだろうか。「テレホンカード」や「電話ボックス」と聞いて、懐かしいと感じる人も多いだろう。それもそのはず。携帯電話が普及したこの約30年で、70万台近くの公衆電話が姿を消した。今や使い方が分からないだけでなく、「見たことがない」と答える子供も珍しくない。しかし、停電しても利用できる可能性があるなど、災害時には頼れる存在だ。事業者などは啓発活動を通し、老若男女に利点をPRしている。

新幹線車内は6月終了

 新幹線を運行するJR5社などが3月、あるリリースを発表した。「新幹線における列車公衆電話サービスの終了について」。6月以降、新幹線の公衆電話サービスが順次利用できなくなり、同30日をもって廃止されるという。

 背景にあるのは携帯電話の普及による利用減。また一部トンネルで通信環境が整備され、全国の新幹線の車内で携帯が使えるようになったことも影響した。

 発表に絡み、ツイッター上ではこんな反応がみられた。《これも時代の流れか…》《以前はお世話になったのに》

存在知らぬ小学生も

公衆電話の撤去は各地で進んでいる。

 総務省の資料によると、平成2年度末に全国に約83万台あった公衆電話は、約30年後の令和元年度末には約15万台にまで減った。