遅ればせの秋。地震、台風の傷は癒えないが

浪速風
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台風21号の倒木被害が解消され、53日ぶりに鞍馬駅へ入線する叡山電鉄の車両=27日、京都市左京区(西川博明撮影)

台風21号の倒木被害が解消され、53日ぶりに鞍馬駅へ入線する叡山電鉄の車両=27日、京都市左京区(西川博明撮影)

 松尾芭蕉が「秋深き隣は何をする人ぞ」と詠んだのは、病に倒れた大阪でだった。もはや起き上がることもできず、ほどなく「旅に病んで夢は枯野をかけ廻(めぐ)る」の句を遺(のこ)して息を引き取った。晩秋の夜、隣家からこぼれる明かりが俳聖の想像力をかきたて、最後の創作をさせたのだろうか。