作家の田辺聖子さんの生家は大阪・福島にあった写真館である。「田辺写真館が見た“昭和”」(文芸春秋)に「正月は戦場だった」と書く。晴れ着姿の客が引きも切らず、合間に写真技師たちが雑煮やお節料理をかっ込む。田辺さんも若い衆にまじって雑煮を食べ、急いで登校する。元日は「式日」だった。
作家の田辺聖子さんの生家は大阪・福島にあった写真館である。「田辺写真館が見た“昭和”」(文芸春秋)に「正月は戦場だった」と書く。晴れ着姿の客が引きも切らず、合間に写真技師たちが雑煮やお節料理をかっ込む。田辺さんも若い衆にまじって雑煮を食べ、急いで登校する。元日は「式日」だった。