前例なき苦渋の決断 200年ぶり譲位、新元号事前公表 阿比留瑠比

御殿山トラストシティーで行われている御殿山さくらまつりでは、江戸時代から平成まで40の元号を記した提灯が並び、花見客を楽しませている=31日午後、東京都品川区(桐山弘太撮影)
御殿山トラストシティーで行われている御殿山さくらまつりでは、江戸時代から平成まで40の元号を記した提灯が並び、花見客を楽しませている=31日午後、東京都品川区(桐山弘太撮影)

 政府が1日、新元号を閣議決定することで、平成28年8月に天皇陛下が譲位の意向がにじむ「お気持ち」を表明されたことに始まる皇位継承に向けた法的な手続きは区切りがつく。譲位は約200年ぶりで憲政史上初めてである上、憲法4条は「天皇は国政に関する権能を有しない」と定めるため、政府はこの2年半余、苦渋の決断を重ねてきた。

 「天皇としてではなく、個人としてのご発言だ」

 政府高官は陛下が「お気持ち」を表明された後、すぐにこう指摘した。ご発言は憲法に抵触しないと予防線を張った形だった。