米朝会談から1年 北の疲弊示すマスゲーム休演、軍の不満はアキレス腱

金正恩・朝鮮労働党委員長に叱責されたマスゲーム・芸術公演「人民の国」=写真は昨年10月の平壌公演(AP)
金正恩・朝鮮労働党委員長に叱責されたマスゲーム・芸術公演「人民の国」=写真は昨年10月の平壌公演(AP)

 【ソウル=桜井紀雄】シンガポールでの初の米朝首脳会談から12日で1年を迎えるのを前に、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は非核化交渉で米側の譲歩を待つ姿勢を崩さず、国内で軍関係の視察や行事出席に傾注した。軍部の理解抜きには、米国との対話路線の維持はおろか体制の安定もままならないからだ。

 そうした中、国内の疲弊ぶりと金氏のいらだちを示す“事件”が起きた。

 中国の北朝鮮専門旅行会社は5日、平壌で3日に始まったマスゲーム・芸術公演「人民の国」が、金氏の不満を理由に10日から休演になると伝えた。朝鮮中央通信によると、開幕公演を鑑賞した金氏が終了後に制作陣を呼び出し、「誤った創作気風や無責任な姿勢を辛辣(しんらつ)に批判した」という。