10月3日

産経抄
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 英国の細菌学者、フレミングは後片付けが苦手だったらしい。1928年、夏休みの旅行から研究室に戻ってみると、ブドウ球菌の培養に使ったシャーレに青カビが生えていた。普通ならすぐ洗ってしまうところだ。

 ▼フレミングは、青カビの周りだけ細菌の生育が止まっているのを見逃さなかった。カビがつくる物質を突き止めて、ペニシリンと名付けた。「奇跡の薬」と呼ばれる抗生物質は、偶然から生まれた。フレミングは45年にノーベル医学・生理学賞を受賞している。